32 高松岳(1348m){タカマツダケ}
33 山伏岳(1315m){ヤマブシダケ}
県=秋田 小安峡 泥湯 川原毛
同行者=斉藤さん、田中さん、他旧ブナ倶楽部10人
登山日:2003年10月18日~20日
Outdoor Style サンデーマウンテン
一旦、先程の分岐まで戻り、気持ちが晴々とする広い眺望の利く笹原地帯の主稜線を進み、小さな突起を捲いて、その先の石神山分岐に辿り着いた。ここから西に折れて右に小安岳、左に虎毛山そして前方に高松岳を望みながら、痩せた尾根上を軽やかに進み、同じ位の高さのコブを二つ程超えると間もなく避難小屋の建つ高松岳山頂に辿り着いた。
大山津見神の祀られた小さな祠が佇んでいた。休憩しながら地形図を広げ山座同定と展望を楽しんだ。ここにザックをデポして笹が生い茂る平坦な道を南に5分ほど行くと、最高点に達し三角点標石にタッチした。
南面の眺望が大きく開けた虎毛山への縦走路は痩せた尾根道が一筋に走っていた。振り返れば先程の避難小屋が葉を落とした枝越しに小さく見える。谷底から吹き上げる風は冷たさを感じ、山では晩秋の色合いが濃く、広い山稜から谷を隔てる山並みが幾重もの色に染められていた。
再び避難小屋のある頂に戻り、眺望の開けた明るい尾根筋を緩やかに下って行く。高度差100m程下って、枯れ沢を過ぎて登り返すと眺望のよい1261m峰に着いた。
ここから屏風岩の鋭い痩せた稜線が続いて見える。天候にも恵まれ展望に優れた気持ちの良い縦走を、堪能しながら登り切ると、南側が大きく開けた、山伏岳山頂に無事に辿り着き三等三角点にタッチした。
振り返れば、先ほど登った高松岳の避難小屋が米粒のように小さく見える。こちら側から望む屏風尾根は、痩せ尾根で左の東側は大きく切れ落ちた嶮崖であたりを圧倒した風景だ。
全員で記念写真に収まり、あとは下るだけという気楽さも手伝って、爽やかな気分で雲の流れに乗って、気持ちの良いブナ林そして葉を落としたカラマツ林を抜け、真っ赤な実を付けたナナカマドが見事だ。
彼方の稜線に影が落ちて、くっきりと陰影の世界が現れ、やがて釣瓶落としの如く陽は暮れる。小学唱歌の『故郷の空』を口ずさみながら、川原毛地獄に下った。山の端に沈んでしまった残照で腹をピンクに染めた雲が、去りゆく空に浮かぶ頃、小安温泉の鶴峯館に重い登山靴を脱いだ。
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