53 焼石岳(1548m) ★二百名山★ *花の百名山*
県=岩手 栗駒高原 一等三角点
同行者=石井ご夫妻
登山日:2002年6月28~29日
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Outdoor Style サンデーマウンテン
栗駒国定公園の北部に位置する、火山群の中に沢山の湖沼や大雪渓が点在する、自然豊かな花の百名山である焼石岳に石井ご夫妻と訪れる。
東北新幹線盛岡で下車して、駅前レンタカーでR397号を辿り、尿前から林道を走り中沼登山口まで入った。登山口の大駐車場には「植物群落保護地域」「車上荒らしに注意」の看板が取り付けてあり注意を呼び掛けていた。私達はレンタカーなので窓や錠を確認して、晴れ渡った空の下歩き出した。
のっけから、急登の中沼コースを辿って高度を稼ぐ。新緑のブナ林の中を半時も登ると視界が開けて中沼に着いた。静かに佇む中沼と緑濃い樹林の奥に、靄に煙った雪渓を抱く焼石連峰が望め、素晴らしい景色の中で一服入れた。
中沼をあとに緩やかな荒沢沿いに進み、右手の沼の畔に咲くコバイケソウを見て、いよいよ花の名山に辿り着いた感を覚える。
上沼湿原の木道に乗りカラマツソウ・コバイケソウ・ミツガシワ・珍しい白花のシラネアオイ・ズダヤクシ・ミヤマキンポウゲ・シラネアオイ・そしてヒオウギアヤメ・ミネザクラ・ベニバナイチゴなど鑑賞しながら、沢通しを登ってブナ林が途切れると霧が立ち込め、ひんやりとした風と共に雪渓が現れた。
雪渓の周辺では、春と初夏の季節が入り混じり、早春の花であるミズバショウやミズスギナ・リュウキンカの群落の傍に、可憐なサンカヨウやハクサンチドリなど初夏の花が咲き始めていた。やがてつぶ沼コース分岐に至り、横岳東斜面の湿原の木道を、ひと登りでちょっと開けた場所に出た。岩の間から雪解け水が湧き出す銀名水で喉にしみ通る美味しさで何度も潤した。
先の右手の石段を上がって今夜の寝床の銀名水避難小屋に着いた。真新しい小屋には何方もおらず我々だけの占有かと思いきや、日が暮れてから広島からの二人組が入って来られた。彼らは夏油温泉から入山し、経塚山を経由し、金明水避難小屋から焼石岳を踏んで、長丁場の山域を縦走、ここ銀明水避難小屋に降りてきたとの事。素晴らしい山旅の山談議に耽り賑やかな一夜を過ごした。
やがて大雪渓の踏み跡を斜めに横切り、台地状の湿原に上がった。ここは花の楽園で、ヨツバシオガマ・イワギキョウ・ショウジョウバカマ・ワタスゲ・トウゲブキ・タチギボウシ、カラマツソウ等が咲き誇っていた。大満足の花の観賞をしながら歩を進め、姥石平の縦走路分岐に着いた。
やや穏やかになった草原に、チングルマやアズマイチゲの可憐な白い花や、黄色に染めるミヤマキンバイやホソバイワベンケイ、そして鮮やかな紫のイワギキヨウが絨毯を敷いたように彩り、目を楽しませてくれた。何処までも続く花の饗宴に感動した。
分岐から泉水沼の畔で昼食をとった後、ザックをデポした。空身でカメラだけ持って横岳の鞍部を通り、ひと登りで一等三角点標石がある山頂に立った。眺望抜群の素晴らしいパノラマの中に見出す新たな山々に思いをはせ、夢を膨らませながら地図を広げ山座同定に浸る。
雲海の上に離れ小島のように、桑原岳の奥に栗駒山~神室山地、三界山の上に三森山と和賀岳。そして東北の名峰である雪を抱く鳥海山が浮び、申し分のない展望を充分に楽しみ山頂を後にした。
往路をルンルン気分で再び花を観賞しながら、デポしたザックを背にした。花の見落としが無いか目配りをしながら、うっかり灌木を見過し可愛いらしいサラサドウダンと、タニウツギが麓とは一ヶ月遅れで咲いていて驚く。
木によって目覚める早さも違いがあるので、既に萌黄色で装った灌木もあれば、心なしか下るにつれて木々の梢から萌えだす緑の量が多く濃くなっていて、早春から一気に夏の日がギラギラ照る下界の駐車場に戻った。
今夜は、斉藤さんが手配してくれた、金ヶ崎ゴルフ俱楽部ロッジに泊って明日、阿弖流為遺跡を見学して、物見山(871m)「種山」を訪ねる予定。
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