更新日:令和4年6月25日|山頂まで2時間くらい|体力★★★☆☆・展望★★★★☆・静けさ★★★★☆・技術★★★☆☆・危険度★★☆☆☆・中級者向け|たくさんの低山・高山性の植物に出逢えるので目の保養となり満足度の高い山旅です。山頂からの展望も抜群で清々しい山行となっております。
東籠ノ登山{ヒガシカゴトヤマ}(2227m)
水ノ塔山{ミズノトヤマ}(2202m)
◆都道府県:長野県・群馬県
◆登山日:2000年8月1日~2日
◆同行者:無し Omitsuさん単独
碓氷峠を越えると正面に、晴天の秋から冬の時季、
飛騨山脈の鹿島槍ヶ岳や白馬岳が真っ白な壁をつくって見える。
北には噴煙を上げている活火山の浅間山が大きく裾野を広げ、
延長線の西には佐久平から上田盆地に掛けて上信国境の高峰高原から
湯ノ丸高原の2000mを超す山々が連なっている。
今回、訪れたのは涼しさと花々を求め、この高原に座す山々を踏破しようと、
高峰高原に宿をとり1泊2日の楽なわりには満足できる山旅を計画した。
上信道の小諸ICで降りて、景観の良い浅間山麓広域農道を走り、
新張で右折して東部嬬恋線を快適に登って行く。
古道らしくカーブごとに十・二十と馬頭観音像が佇み、
地蔵峠に上がった処に五十番観音が鎮座していた。
ここから湯の丸高峰林道を走り、池の平湿原入口の兎平にバイクを止めて、
道標に従いコメツガの大木の傍から、池の平湿原へ純林のカラマツ林の斜面を登って行く。
トウゲブキやアサマフウロウに足を止め、今日は沢山の花々に合えるだろうと
期待を膨らませ花の稜線に出た兎平でバイクを止め湿原の縁を廻り込む木道に乗り、
オオサカモチやタムラソウの咲く湿原を辿る。
湿原を鑑賞するには太陽がギラギラ振りかざす炎天下より、
今日のようにガスが湧いている方が、花々も生き生きとしている。
やがて片側が崩れた崖上に湿原を見降ろす三方ヶ峰(2040m)に上がった。
何と保護用フェンス越しの砂礫地にコマクサ、珍しい白花コマクサも出迎えてくれた。
傍のコオニユリやグンナイフウロウを鑑賞して先を急ぎ。。。
コオニユリ
灌木帯を登り切ると、開けた岩峰に飛び出し見晴岳(2090m)に着いた。
この辺りも見事な花の楽園で、ウスユキソウ・オヤマソバ・オンダテ・クガイソウ・
ハクサンフウロウ・タカネナデシコ・イブキジャコウソウ・シロバナニガナ。
ミヤマカラマツ・ハンゴウソウ・ミヤマホツツジなど花の楽園。
なかなか3000m級の高山でなければ見られない花々が、
こんなに近い山で鑑賞できたのは大満足だった。
やがて岩がゴロゴロ重なり合った高みは、雲上の丘(2110m)という
360度の眺望をもった見渡す限り山また山の、
それこそ字の如く雲の上の頂きで、雲空だが目の前にどっしりと大きく高峰山が有った。
浅間山は雲霧に厚く取り囲まれていた。
広角のすっきりとした三角は黒斑山で、稜線を飛び出しているのが水ノ塔山そしてガスが掛りかけているのが、
東籠ノ登山だろうと地図と見比べた。
この頂きでもコマクサ・トモエシオガマ・ミヤマシシウド・ユキクラトウチソウ・
ヤマオダマキ・ヒオウギアヤメ・ヤマホタルブクロ・シラネアオイ・コオニユリ・グンバイズル等々、
始めてお目にかかれた高山植物も含めて大満足の山稜を後にして、バイクを止めた兎平に戻った。
ここから涼風がほほをなぜる天然のカラマツ林の、
湯の丸高峰林道を車坂峠に向ってバイクを走らせた。
リフト乗り場の先に咲く一面ピンクに染まったヤナギランの群生地を過ぎ、
地震で山崩れしたような茶色のザレをつけた籠ノ登山の裾を走って、
今夜の宿である高峰高原ホテルに着いた。
まだ陽も高いので周囲を散策してみることに・・・
高峰高原にはニッコウキスゲの群落がみえ、湧き出すガスに映えて、とても幻想的な風景を醸し出してくれていた。
紫濃いハナショウブ・珍しい暗紫褐色のシュロソウ、シモツケソウが眼を楽しませてくれた。
早朝ホテルを後にして湯の丸高峰林道を、一旦、地蔵峠方向へ戻り立派な案内板が立てられている、
一軒宿の高峰温泉の前の広場端にバイクを止めて登りに掛った。
天候も申し分なく無風の静かな高原を道標に従い、
気分よく進むとコメツガの梢でホシガラスがギャーギャーと声をかけて、
一人旅の吾を出迎え何処かに飛び去っていった。
足元にはツリガネニンジンがひっそりと咲き、灌木のカラマツ林を抜けるとガレ状の斜面をひと登りで尾根に出た。
遮るものが無い「うぐいす展望台」と称される処から、これから訪れる稜線上に端正な水ノ搭山と、
赤茶の地肌がどぎつい赤ザレが望め、振り返れば高見温泉の上に緑濃い高峰山があった。
樹林のなかのコブを越え荒涼とした鞍部に下り、再びカラマツの疎林のなかを登り大石を巻いて、
岩がゴロゴロした歩き難い急坂を登り上げると、大岩と栂の根が張り出した狭い水ノ搭山に立った。
山頂からの眺めは素晴らしく、黒斑山越しに浅間山が立ち上がり、
そして佐久平の先に八ヶ岳が霞んでいた。
これから進む赤ザレの先には東西の籠ノ登山が連なっていた。
水ノ搭山から大岩の重なる崩れやすいザレ状の巻き道を下り、
歩く度に足元の岩屑が流され立ち止まっていれば、そのまま崖下に落とされそうなザレ場を過ぎ、
やがて緩やかになった尾根道になり、左手には赤ザレのガレが南面になぎ落ちているが。
天上漫歩という感じで難なくクリアーして赤ザレの頭を越し、
強い陽射しを遮ってくれる針葉樹林帯を抜け、
ほどなく明るい草地は黒ザレと言われる岩稜帯で、照り返しがきつく身体に応える。
給水を繰り返し喘ぎながら急登を登り切り、岩礫と草地が広がる遠望の利く、
流石に一等三角点標石の置かれるだけの東籠ノ登山に立った。
岩片の散らばったゴーロの山頂から、360度の大展望が楽しめたが、
真夏の炎天下の山稜は束の間の眺望で湧き出すガスに閉ざされた。
ここから西籠ノ登山を急いで往復して、湯の丸高峰林道に降り立ち、高峰山に向った。
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