栃木県【前日光・古峰ヶ原】石裂山(879m){オザクサン}1997年4月20日に窪川獣医師と登った山行です。山頂までの途中の岩盤の裂け目に可愛いイワウチワが見られたり、千本桂の巨木や満開のロウピンクのヤシオツツジが見ごろを迎えていて感動的な山旅です。
窪川先生に誘われ福島の高柴山・吾妻小富士、そして三回目の山登りである。
窪川先生愛車で早朝の浦和を出て、東北道を走り鹿沼ICで下り、
荒井川沿いの県道14号で一路、裂石山に向かった。
裂石集落を過ごし裂石山荘の先を左に曲って行くと、加蘇山神社が見えた。
神社に続く階段の手前に駐車場があった。車を止め準備万端山登りに掛る。
早速ヤシオツツジが目も覚めるような
東雲(しののめ)色(いろ)の花が私達を迎えてくれた。
生れて初めて見る花で感激する。
路肩にシャガが咲く石段を登り。。。
鬱蒼(うっそう)とした杉木立の中をしばらく登って、竜ヶ滝の休憩所に着いた。
辺りの岩盤の裂け目に可愛いイワウチワが揃って点々と咲いていた。
直ぐ先には25m余りもあるという千本桂の巨木に着いた。
カツラの木、独特の立派な株立ちで、これも始めて見る巨木だった。
やがて涸れ沢の急登を普段の運動不足が祟(たた)り顎を出して喘ぎながら登り、
鎖場を難なく過ぎると中ノ宮の広場に出た。
一息入れて左手を見ると行者返しと言われる岩場が覆い被さる様に立っていた。
この岩場に取付き、梯子と鎖を使って必死に先生の後に続いた。
怖い岩場が続き手足を使って、髯擦岩(ひげさついわ)を過ぎるとやっと岩場も終り間もなく稜線に出た。
稜線を少し歩くと展望の利く東剣ヶ峰に着いた。
辺りは点々とヤシオツツジが咲き誇り癒しを与えてくれる。そしてここからが大変だった。
「いよいよ二万五千地形図の(ゲジゲジ記号)に差し掛かる」と先生が発した。
岩の絶壁では登り優先の一方通行、数珠繋ぎで待たされる。
八人ほどが登り切り我々の番で鎖を使って慎重に下り、一旦鞍部に降りて、
直ぐに登り返して見晴らし台のある西剣ヶ峰に着いてホーッとして一服つけた。
それでもヤシオツツジのこの景観で苦しさを忘れさせてくれた。
西剣ヶ峰を梯子で下り再び鞍部へ、コルから急登を滑りながらも、
ひと頑張りで三等三角点標石のある石裂山・山頂に立った。
山頂は樹林の中で展望は悪いが、木の間から遠く日光連山が春霞みの中に望めた。
狭い山頂で腰をおろし昼食を食べ、混み合って来たので腰を上げた。
次のピークの月山を目指した。程なく石の鳥居と小さな祠のある月山に着いた。
この山域は新緑には未だ早く、落葉した落葉樹林に一際淡い
ロウピンクのヤシオツツジが映えてとても綺麗だった。
後は下るだけで、杉林を下り抜け、竜ヶ滝の休憩所の手前で往路の道と合流してニリンソウの咲く駐車場に着いた。
帰路は粟野経由で「やぶ蕎麦」を食べて無事に帰省した。
変化に富んだ山域とヤシオツツジに感動した山旅だった。
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