23 恐山(321m)
24 釜臥山(879m)
県=青森・下北半島 一等三角点 同行者=石井さん・田中さん
登山日:2002年5月16日
Outdoor Style サンデーマウンテン
下北半島一周の山旅も六日目の最終日を迎えた。下北半島国定公園の中心に有る死者の霊を呼ぶ「イタコ」の口寄せで有名な恐山(宇曽利山)に向った。大湊駅前のホテルからレンタカーで出発。むつ市内を抜け矢立温泉を遣り過ごし二叉沢沿いの林道を恐山へ目指して北西に登り宇曽利湖畔に出た。
恐山は釜臥山を始め、「蓮華八葉」と呼ばれる山々が火口壁を形成する休火山で火口にはカルデラ湖の宇曽利山湖が、翡翠に似た色の水を湛えていた。
車を止め歩きだす。この湖の北側に恐山菩提寺があり、噴出する火山性ガスの為、付近には殆ど植物は見られない。荒涼とした岩山に積み重ねられた小石の山が並び、異様な光景を醸し出していた。唯、思っていた程、殺伐とした風景で無く近代的なコンクリートで固められた伽藍と六地蔵尊にはがっかりした。
三途の川を渡り、参道の水子地蔵尊に供えられた、絶え間なく廻る風車の音に一抹の寂しさを感じながら歩を進め奥之院に着いたがかるく参拝をして辞す。
駐車場から一旦来た道を戻り、湯坂から屏風山のうぐいす沢林道を辿って行くと、展望が開け初日に登れなかった朝比奈岳が眼の前に現れた。その先には山頂にドームを従えた釜臥山が呼んでいた。
暫く登って台地上に出るとアンテナ基地があり、広場に車を停めた。沢筋には残雪もあるが傍にはスミレサイシンが咲いていて、和ましてくれた。
見上げれば山頂に至る岩場に簡易舗装の手摺付きの急登の山道が引かれている。岩場を左から捲くように、息を切らしながら山頂直下のガレ場を慎重に登り切ると、一等三角点標石の有る山頂に飛び出した。
山頂には兵主神社の奥宮をはじめ三体程の祠が鎮座していた。辺りは自衛隊基地の領地で、やたらとフェンスに囲まれていて山頂の気分はしない。しかし一等三角点だけあって四方の下北半島が一望できた。