95 御前ヶ岳(1233m){ゴゼンガダケ}
県=福島 南会津
同行者=石井さん・田中さん
登山日:2009年8月27日
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Outdoor Style サンデーマウンテン
会津駒ケ岳に登ったのは44年前に成る。約半世紀振りに日本の秘境と言われた檜枝岐村を訪れた。当時はカラー写真が出始めたころで、未だボンネットバスが運行していた時代だった。会津駒ヶ岳に登ったのが懐かしく思われる。
しかし、今はすっかり観光地化し萱葺もなく新建材の住宅が目立、散策したが数基の道祖神と庚申塔が古を偲ばせる程度で、当時の面影が見られない。
今回は檜枝岐に投宿して、栃木・福島県境の帝釈山と台倉高山の頂きを踏んで、1178~80年頃、平氏討伐の挙に敗れた以仁王の愛妃、紅梅御前が、この山に隠れ住んだと伝えられる御前ヶ岳のある昭和村に向かった。
薄暮の沼田街道を北上して、暗くなった村々には人影も街灯もなく、投宿する「ペンション美女峠」が見当たらず、村営のしらかば荘に駆け込み聞き出して、何しろ真っ暗闇で天空の星だけが輝いている奥会津の山村なので、車で数分先のバイバス沿いに宿はあった。
翌早朝に、旧道を歩いてみた。朝食の準備か家々から紫煙が茅葺にトタンを被せた屋根裏から立ち上り、古民家が奥会津らしい雰囲気を醸し出していた。朝食後、昨日走った沼田街道を戻り、矢の原高原にある集落の一つである大芦から、畑沢川沿いに開けたカヤトの原を走り、終点の畑小屋へ入った。
炭焼き小屋の先に登山者用の駐車場があり、正面には御前ヶ岳の伝説を記した解説版があり、背後に独立峰の御前ヶ岳が横たわって姿を現していた。
解説版に依ると、「平安時代の末期、後白河天皇の第三皇子、以仁王は源氏に平家討伐の挙兵を促した。だが宇治川の決戦で敗れ、東北地方へ逃れた。そして以仁王の妃、紅梅御前の一行は畑小屋を訪ねたのである。そこへ以仁王と源頼政が戦いに敗れ、亡くなったという使者が来た。悲しみの御前はこの山の頂き近くに隠れ住んだ。懐妊していた櫻木姫は山を下りたが、心労のため十七年の短い生涯を終える。以来、この山は御前ヶ岳と呼ばれる」と記してあった。
駐車場の先に、左に曲るように手作りの道標がススキの原に建てられている。
人家に至るように真っ直ぐ道を下り、農家の庭先を過ぎてすぐ二股になり、道標に従って小さな沢を渡り、蝉が合唱する広葉樹林の中を進むと、道は二手に分れ左は山の神ルートの分岐になるが、通行止めになっていた。一服してから直進の御前ルートに歩を進める。
ミズナラ、ブナ、ハウチワカエデやムシカリ、リョウブなどの低木が生い茂る緑系一色の中を進み、やがて急な登りに差し掛かる。岩混じりの急傾斜にはトラロープが張られ、後退りしそうな急坂を登り切ると、山頂に続く稜線に出た。ミズナラの大木の根元に倒木があり、ちょうど誰もが休みたくなる風の吹き抜ける処で一服入れた。
なだらかになったブナやミズナラの大木が点在する笹原に、淡い紫のソバナが今を盛りと咲き誇る。
稜線を進むと、紅梅御前の住い跡と言われる一段高い場所を過ぎ、さらに一段高い最後の登りを終えると、二等三角点標石と山頂標柱の建つ山頂に立った。
山の神も祀られて小枝で造った鳥居には注連縄まで飾られていた。山頂からの眺めは北が切り開かれ、何れ訪れて見たい会津の名山、博士山と隣り合わせに志津倉山がどっしりと構えていた。北西に眼を移せば越後山脈が連なって見え名山の浅草岳や守門岳も望めたであろう。正確に定規で測った訳ではないが。
しばし休憩を兼ね眺望を楽しんで下山に掛る。登り掛けにあった山の神ルートは、こちらからも通行禁止のテープが張られていた。仕方なく登って来た往路を戻り、トラロープの敷設された急坂を慎重に下り登山口に戻った。
丁度、古老が炭焼き窯を開けていた。
「精が出ますね、炭は売ってくれるのですか」と尋ねると、古老が「登って来たんかい、木炭を売らなきゃ生きて行けねー、あんた歳はなんぼ」と尋ねられ、「七十なんぼ」と答えると「わしゃ九十何歳 お前さん方はまだガキだな」とおっしゃって、木炭の小屋に進み「クヌギで造った木炭で火持ちが良い」と言われ古老の生きる糧を格安で買い求め帰路についた。
★管理人から令和のこそこそ噂話★
12月16日は「電話創業の日」です。
1890(明治23)年のこの日、東京市内と横浜市内の間で日本初の電話事業が開始した。
加入電話は東京155台・横浜44台で、女子7人・夜間専門の男子2人の交換手が対応した。
~今日は何の日 毎日が記念日より引用~
今ではほとんどの人がスマホを持っている時代で、明治のころはこのような世の中は想像できなかったでしょうね。
最近では年々時代の流れが加速しているように感じる年代になりました。
ある意味自粛生活が長くなってくると思考もかなり変化してきていると感じます。変わっていいものと変わってはいけないものがあるのではと強く感じる今日この頃です。
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