平標山(1984m)二百名山
松手山(1614m)
県=新潟・群馬 三国山脈
同行者=中村さん
登山日:2002年10月13日
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東隣に住む中村さんに正月お逢いして今年は山登り如何ですかと、お誘いしたら二つ返事で山行しましょうとなった。取り敢えず装備が必要で、大宮のICIを紹介した処、早速、最低限(登山靴・毛織靴下・ゴアテックスの雨具・ザック・スパッツ・ストック・ヘッドライト・手袋)の山旅用品を整えた。
その後、日々歩行訓練を重ね準備が整ったとの事。
私が中村さんにご紹介したお店は「石井スポーツ 大宮店」以下からご参照ください。
https://www.ici-sports.com/shop/ohmiya/
季節が廻り比較的に天候も安定している紅葉の時期となり、安易に登れる上越国境の平標山を提案する。私に任せると言うので比較的に高度もあり山岳気分を楽しめる山として選び、中村さんにとって初めての山行を実現する事になった。
日帰り山行なので、家を早朝に出達して関越道を走り、月夜野ICで降りてR17号(三国街道)を越路へと向かう。沿道の木々は登るに従い色付き、錦繍のトンネルから三国トンネルを抜け出ると、景色は一変し開けたスキー場と高層ホテルが立ち並ぶ都会に戻った様な光景を見ながら通り過ぎ、平標山登山口がある「苗場ふれあいの郷」村営駐車場に車を止めた。
ゲートを潜り、ここから暫くの間、登山口まで未舗装の岩尾沢林道(上信越自然歩道)をだらだらと登って行く。振り返れば西の彼方に苗場山の馬の背が伸びて見える。一時間ほど登っただろうか林道とも分かれ平元新道登山口に着いた。ここの清水で喉を潤し、いよいよ本格的な急坂の山道に入る。
靴紐の弛みを直し、ひたすら無言で息を切らしながら高度を上げるにつれて、黄葉したクロモジや燻銀木肌のダケカンバの自然林に踏み込んで行く。ナナカマドの真っ赤な実が一際輝き、稲妻形に切られた山道を急登して、振り返れば先程よりも大きな図体の苗場山が航空母艦のように横たわっていた。
急登をやれやれ登り切ると、赤い屋根の「平標山の家」が見えて来て一段落。一休みしたいところだが、小屋の先のベンチまで進んで一息入れた。
目の前には端正な平標山、その背後に伸びやかな仙ノ倉山とその肩には万太郎山が聳えていた。ここの分岐から右に辿ると大源太山・三国山への稜線で、辺りは霜が降りていて冬到来の声が聞こえる。
左の爽快な笹尾根の木段を、ゆっくりと息を整え眺望を楽しみながら高度を稼ぐ。高度が2000㍍に入り、遮るものがない一面の熊笹の山稜からは、濃紺のシラビソが草紅葉の中に点々と映える素晴らしい景色を眺めながら、仙ノ倉山への道を分け、単調な木段を登り切ると晴れ渡る山頂に飛び出した。
先ず三角点標石にタッチして眺望を楽しむ。山頂からは雲が湧き出していたが、谷川連峰の山並み苗場山や上信の山々が眺望できた。既に森林限界を越え、キラキラと波浪の如く輝く熊笹に覆われた山稜は紅葉と相俟って天然の箱庭の様に素晴らしい眺めだ。
しばしの頂は北からの強風に煽られ、とても昼食できる状態でないので、強風を遮る処まで行こうとなった。
登って来た山の家方向とは逆に、馬蹄形に松手山へと向かう。眺めの良くきく気持ちの良いササ尾根路は、小ピークを幾つか越えて次第に高度を下げて行く。すると上空にヘリコプターが騒音を轟かせ、何か資材のような物を吊り下げて舞っていた。少し降りた先にはヘルメットを被った工事関係者がいて資材の受け取りに待機していた。大声で聞いてみると木道を造る資材と解った。
先には夥しい限りの木道にする枕木が山肌に降ろされていた。やがてザレ場を過ぎて森林限界に入り、小ピークの松手山に降り立った。ここなら灌木が生い茂り風を遮ってくれる。携帯コンロで湯を沸かし溶いたコンソメスープは冷えた身体に沁み込み、とても美味しく山でこその味わいである。
昼食と暫しの休憩の後に、重い腰を上げる。松手尾根への道を見送り、元橋バス停方向に進路を取り、紅葉の峰下りを堪能しながら樹林帯を急降下して、巨大鉄塔の脇を通り抜け、最後の木段を下り切ると朝方に車を止めた「苗場ふれあいの郷」に降り立った。下山後、猿ヶ京温泉で汗を流し帰途についた。
Outdoor Style サンデーマウンテン