86 小野嶽 (1383m)
県=福島・南会津
同行者=田中さん
登山日:2008年12月23日~25日
:合計3時間40分 登山口 ~(40分)~展望台~(40分)~ 東電杭 ~(60分)~山頂~(40分)~東電杭~(30分)~小野の泉~(10分)~ 駐車場
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Outdoor Style サンデーマウンテン
県道田島須賀川線、蝉トンネルを貫けると山頂に薄っすらと雪化粧した小野嶽がどっしりと構えている。湯野上温泉をかすめ大内宿へ、宿には入らず大内ダム方面へのバイパスを行き、高倉親王に由来する「薬水」を過ぎさる。S字カーブを登り直線になると、右側に「小野嶽道」の石柱がある。砂利林道を進むと、地元のおじさんが下ってきて、「狩猟か?」と聞かれる。小生が鳥撃帽を被って居たので猟師かと思ったらしい。「小野嶽に登る。」と言うと、彼は「気付けて。」と言って、正月用のアケビの蔓を抱えて下って行った。林道終点には5cmほどの積雪が有るが登山開始。
小野嶽大内登山口の標柱に従い、暗いスギの植林地を歩き、最後の水場「小野の泉」をやり過ごした。植林帯も終り、道標に従い落葉樹林帯を左に急階段を登り切ると、白樺が林立する小尾根に出る。左に20mほど行くと、天望台と称する送電鉄塔のある小平地に出るが、周囲の木々が大きくて文字通り天を望むだけの草地である。
高度を上げるに従い、植生も変わり、気持ちの良いブナやミズナラの自然林を登って行く。枝越しの右には鮮やかな大内宿と整然とした段々畑、尾根の左には真っ白に雪化粧した飯豊連峰の姿が紺碧の空に浮き出していた。
きつい登りが緩むと黄色い東電杭が現れ7号に至ると記されている。ここはブナの大木のオンパレードで独特の木肌や樹形を楽しみながら進むと、やがて雪道も深くなり先行のT氏がラッセルしてくれたお陰で、どうにか1223mの標高点に到達した。
ここから鞍部への下りに掛かるが、霧氷に覆われた目指す小野嶽が薄っすらと顔を出す、左はるか下には神秘的な色の水を湛えた沼尾沼が望め、痩尾根を急登すると、かなり広い山頂に達した。広い頂上には明神様の石祠があり、この祠の曰く因縁が記された覚書板もあった。
積雪が40cmほどあり、残念ながら三角点を探したが雪の下で確認できなかった。展望は山頂が広いが故に南・西は樹木に覆われ見通しが利かず、北は吾妻連峰・飯豊連峰・磐梯山に猪苗代湖、そして近景の東には若郷湖と大戸岳が堂々たる姿ででんと構えていた。それにしても山開きには、年によって何百人もの人々が登られる山だそうで、山頂の広さが理解できた。
下山は往路をそのまま辿って無事戻った。
(山頂の覚書)
山頂にある明神様の祠は、心無き三名の山師により、祠の下部を掘られ、五尺余りも沈み込んでいた。それは朝日長者が残したという謎を秘めた歌があり、それを聞き及んでの仕業であった。
「朝日さす夕陽輝く 小野ヶ嶽 一・六・三の木の下に 黄金千倍 朱千倍」
平成元年に地元大内区の組長・青年会幹部等の復元作業に依って現在に至る。
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