更新日:2020年9月19日(2021年6月26日更新)|登山口から山頂まで3時間位|体力★★★★☆・展望★★★★★・静けさ★★★★☆・技術★★★☆☆・危険度★★☆☆☆・中級者向け|2004年に山友の田中さんと高木さん親子と大雪山旭岳へ登った際の山行です。美瑛では北海道らしいラベンダー畑に、旭岳の爆裂火口にやチングルマなどの高山植物にもたくさん出会え、花の百名山とあって満喫度の高い山旅です。
◆都道府県:北海道
◆登山日:2004年7月20日
◆同行者=田中さん・高木さん親子
田中さんの勤めている会社の後輩である高木さんの親父さんが、
この世を去る前に是非、北海道の屋根である大雪山に登って冥土の土産にしたいと、
経っての希望で今回4人での北海道の山旅が実現した。
旭川空港からレンタカーで北海道の略、中央に位置する美瑛に向かう。
広大な丘陵には薄紫のラベンダー甘い香りが漂い、色とりどりの花が波打つ坊主山の麓を走り、
やがて清々しいエゾ松、トド松の森林帯を抜けると分岐があり、宿に入るには時間があるので天人峡に向かう。
トンネルを抜けると山麓に広がる広大な北方樹林帯の中に、角柱形の整った岩壁の列は天人峡。
深い谷は数万年前に大雪山の噴火によって火砕流が堆積した後に
忠別川の流れによって削られて冷える時にできた規則正しい割れ目を柱状節理という解説板が有った。
今夜の宿がある旭岳温泉は、この岩壁を一山越えた先である。
一旦来た道をノカナンの分岐まで8kmほど引き返し、旭岳の登山口の有る旭岳温泉へと向かった。
宿のロッジ・ヌタプ・カウシベは日暮れ前の定刻に到着した。
宿に着いて早々に、旭岳ロープウェイは定期点検中で現在運転してないと告げられる。
高齢な高木さんの親父さんが、楽しみにしていた大雪山登山。
宿の話だとクロスカントリーコースは緩やかな登りで、高齢者でも時間は費やされるが登れる。
但し鈴などを鳴らしヒグマに十分注意してくださいと言われた。
翌朝まだ朝靄の立ち込める山麓を出発する。旭岳はガスの中で望めない。
クロカンコースはエゾマツの原生林を切り開いた緩やかな登りで、
所々に湿原もあり、ダケカンバの白い肌が際立ち、
やがて日の光がエゾザサの葉を綺羅めかせ高山植物が豊富で長いコースも、やすらぎを与えてくれる。
白いツルアジサイ・ヒメイソツツジ・紫が鮮やかなトカチスミレ・ハクサンチドリゴゼンタチバナ
・エゾコザクラ・チシマキンバイ・ポニータンポポ・エゾイブキトラノオ
・ウサギギク・エゾノツガザクラ・ミヤマリンドウ・コメイソツツジ・イワヒゲ・等々花々を観察しながら辿って行く。
木っ端で整備されたワサビ沼コースに入って行くと、ヒグマの親子らしい未だ乾いてない
真新しい大小の足跡が点々とあり、我々の鳴らす鈴の音に驚いて去ったらしいが、
未だその辺で我々の行動を観察しているだろう。
高齢者もおられるし危険なので即座に引き返しカモ沼湿原コース分岐まで戻った。
木段で整備された三合目、四合目(1550m)まで登ると、
天女ヶ原というお花畑と雪渓に彩られた広大な原に出た。
チングルマ・イワブクロ・シナノキンバイの群落に見とれながら天上の楽園を堪能した。
木段で高度を稼ぎながら進むと、やがて植生も変わり緑のハイ松帯となり、
キバナシャクナゲが彩りを添える。ガスも抜け随処から噴煙を黙々と上げる旭岳が姿を現した。
一同感激の極みで歓声をあげる。ここからの旭岳の雄姿は圧巻だ。
やがて姿見の池と旭岳のコントラストが映える石室の展望台から、
しばしの眺望を楽しんだ。今日はよく晴れていて、爆裂火口を抱え込んだ旭岳の全容が立ちはだかり、
湿地にはエゾコザクラの鮮明な花が咲いていた。
稜線に目を移すと九合目あたりに金庫岩と称される四角ばった岩が望め、
高木さんが私たち親子は、ここで散策しているから山頂を踏んできてくださいと言ったが、
爆裂火口の縁を草木も生えない溶岩礫の急傾斜が続き、
二歩進んで一歩下がるような滑る登山道で歩き難く、頂を極めるのを諦めた。
十勝岳や美瑛岳そしてトムラウシ・富良野岳を眺望して山座同定しながら旭平のお花畑で
チングルマやエゾコザクラの群落に見とれ、夫婦池を散策しながら遊び、
白い数条の雪渓と噴煙にチャコールグレーの乱れ模様の爆裂山肌は凄く印象的で、
王者の貫録充分であり特に心に残った山(岳)だった。
下山は旭平から広い散歩道をのんびり下りロープウェイ姿見駅を
廻り込み本来の登山道を下山した。旭川まで高木さんのお父さんを送り届け、
ここから三人で次の訪問地へ夕張メロンを試食して、夕張岳ヒュッテに向かった。
最新情報は「大雪山旭岳ロープーウェイ」をクリックしてください。
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