ガイドにはないコースで~蛾ヶ岳と釈迦ヶ岳~(山梨)

332 蛾ヶ岳(1279m){ヒルガタケ} 高度差 382m

333 釈迦ヶ岳(1271m){シャカガタケ}

同行者=ロッジ山旅企画(ロッジ山旅木曜山行会)

メンバー:リーダー長沢さん・西野さん・坂本さん・中島先生・伊藤さん

登山日:2004年3月12日 晴れ

県=山梨県  歩=9時間 静=☆☆☆ 難=☆ 体=☆☆☆ 


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OMITSU
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 里山の山行はルートによって思いがけない収穫がある。

 今回の「ロッジ山旅」が企画した山行は、市川大門の尾連びれんから入山、蛾ヶ岳から上一色、三珠、下部の三町に境を接する釈迦ヶ岳に足を伸ばし、下山は旧八坂峠を藪漕ぎして三珠町・下芦川の向島に下りた。

四尾連湖からの登山口
四尾連湖からの登山口

 西八代 北部の山脈を東西に走る尾根道はかなりの距離がある山行だったが、歩き終えてガイドブックや地図上では判らない楽しさと、体に汗して得られる充実感が有り、印象の深い心に残る山旅になった。坂本さんと協議して記す。


特記(その一)

このルートはかって里の人が市川大門方面から精進湖(上九一色村)に通った生活と信仰の道だった。登山道のルーツは山岳信仰の道、下草を刈り、薪を採たり炭焼きをした生活の道、村人が触れ合いを求めて楽しんだ道などだが、蛾ヶ岳を別にして大平山、釈迦ヶ岳の山頂は、ルートから外れて寄り道をしなければ確かめられず、また登山道は危険な岩場を除き、ほぼ忠実に尾根を辿るのが常識だが、この道は稜線にこだわらず、回り道をして高差を抜き楽に歩けるよう踏まれ、さらに主峰の釈迦ヶ岳を避け、下部町の八坂
(ハッサカ)地区に下りて三方分山から精進湖に向っていた。

特記(その二)

現代版だがこの地域にも、地図にない新しい舗装道路が延々と山腹を捲き、登山道が消えて交差していた為に、道路上に地形図を広げ長沢・坂本両氏で現場を確認するも、平成と明治がタイムスリップし八坂峠直下のつもりで、車道を捨てて腕力登りで鞍部に出たら、釈迦ヶ岳から三方分山に伸びる尾根のヌクド峠で、地形図の誤読だったが行程と時間ロスはなかった。

特記(その三)

八坂峠からの下降ルートは完全な死に道で、旧道らしき切り分けを下降点に慎重に読み、踏み込んで間もなく藪で道が消えた。辺りは夕霧が立ち込め出してきた。先導者から怒鳴り声がした。後続の我々に「離れずに着いてこいよ」と坂本さんが気遣ってくれる。藪の少ない斜度四十度ほどの藪をズリ降りる。こうした地形では一般的に急な斜面より沢筋の藪が深い。ここも例外ではなく、潜り歩きとゴロゴロした落石に悩まされながら、ボロボロに成って民家の有る向島に着く。峠の通い道は時代の変化を映し、この道は手を入れる人も無く自然に還っていた。

工程

 湖畔から一汗をかき、ヤセ尾根の先のビューポイントで陥没湖の四尾連湖を眺め、キツツキだかが、ごく最近に餌を求めたであろう唐松の大木に六個の大穴(写真)。

唐松に真新しい数個の餌穴
唐松に真新しい数個の餌穴

 落葉した灌木のヤセ尾根道はピークを右へ左へと巻きながら登り、蛾ヶ岳の西の山腹を絡めながらヒノキの植林地をひと登りで、折門(オリカド)に分れる西肩峠に着いた。

踏み込まれたヤセ尾根を行く
踏み込まれたヤセ尾根を行く

折門峠
折門峠

下の四尾連湖~市川大門・櫛形山
下の四尾連湖~市川大門・櫛形山

 昭和二十一年に峰山開拓農協が建てた六地蔵尊が有った。ここから最後の急登をこなして大展望が待つ蛾ヶ岳山頂を踏んだ。

蛾ヶ岳・山頂
蛾ヶ岳・山頂

 西方に一際目立つのが白峰三山、市川大門市街から櫛形山、四尾連湖、そして、これから訪れる釈迦ヶ岳・三方分山が眺められ展望を楽しんだ。

蛾ヶ岳山頂~鳳凰三山・白峰三山の眺め
蛾ヶ岳山頂~鳳凰三山・白峰三山の眺め

 気持の良い山頂に別れを告げ、ルンルン気分で緩やかな尾根筋を下り、大平山を巻いて折門峠をやり過ごし、地蔵峠(栂の峠)に下り樹齢数百年の栂の大木の根元に。。。

栂の峠
栂の峠

 首を削られた小さな六面体の地蔵尊があった。山奥の小さな地蔵までも壊してしまった明治初年の「廃仏毀釈」の悲しい歴史を目にした。ここで昼食を兼ね暫しの休息をした。

 
地蔵峠 六地蔵
地蔵峠 六地蔵

 釈迦ヶ岳山頂直下の釈迦像

釈迦ヶ岳山頂直下の釈迦像

栂の峠~三方分山
栂の峠~三方分山

 道は稜線を離れ、一旦 舗装道路に出くわす、地図の確認をするが新道が出来ていて解らず、枝越しに見える鞍部に四つん這いになって落葉雑木林の急登を登り切ると、釈迦ヶ岳と三方分山の分岐(ヌクド峠)に飛び出した。

四つん這いで急登する
四つん這いで急登する

ヌクド峠 釈迦ヶ岳 ⇔ 三方分山
ヌクド峠 釈迦ヶ岳 ⇔ 三方分山

 道標に従い釈迦ヶ岳へと進み、派生尾根の凸凹に鎮座する山名の因になった釈迦像に手を合わせ、釈迦ヶ岳の頂きを踏んだ。予期しない舗装道路から釈迦ヶ岳に立ち、(その三)で記した下山にかかった。

釈迦ヶ岳・山頂
釈迦ヶ岳・山頂

 下山した向島で里の人に尋ねたところによると、我々が今降りてきた道無き道は「戦後の昭和三十年代まで、郵便夫が八坂に通ったのだ」と聞き、改めて時代の変遷を感じつつ旅を終えた。

蛾ヶ岳~釈迦ヶ岳
蛾ヶ岳~釈迦ヶ岳
(ルート)

市川大門~四尾連湖 8:45 
西肩峠 10:05
蛾ヶ岳 11:00
地蔵峠 12:00
八坂地区 13:20  
ヌクド峠 14:10 
釈迦ヶ岳 14:40~15:25
八坂峠 15:50 
向島 17:45



★管理人から令和のこそこそ噂話★
3月9日は「感謝の日」です!
「サン(3)キュー(9)」(Thank you)の語呂合せ。
過去の感謝したいことや人に思いを寄せる日。
~今日は何の日 毎日が記念日より引用~
なかなか照れくさいのもあって、
家族には日頃の感謝を伝えれらないものですが、
ありがとう」を心を込めて伝えましょう。
プラス何かぷちプレゼントもいかかでしょう?

Tamo24
Tamo24

蛾ヶ岳の観光情報はこちらよりご確認ください。

釈迦ヶ岳の登山ルート等はこちらよりご確認ください。

 

 
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唐松に真新しい数個の餌穴
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