頂上にはなぜか土管?ミツマタがキレイな~箒沢権現山~(神奈川)

290 箒沢ほうきさわ 権現山ごんげんやま(1138m)

県=神奈川・山北

同行者=田中さん

登山日:2008年3月27日

※本記事は、「山の本」に掲載されたことがございます。


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OMITSU
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 権現山は同名山名が全国で城山・丸山・愛宕山につぐ、四番目に多い山名である。同名の山名としては、武内正著『日本山名総覧』(白山書房)によると八十七座あるが、同じ山名の山を一方から眺めるのも乙なものだろう。

 今までに同名の山を他方から眺めたのは、奥秩父の志賀坂にある二子山ふたごやまから、秩父の芦ヶ久保あしがくぼにある二子山ふたごやまを眺めたくらいで、中々貴重なものである。丹沢には直線で5kmほどの距離に二座ある。今回は、前回登った世附権現山よづくごんげんやま箒沢権現山ほうきさわごんげんやまから眺めて見ようと出掛けた。  

 丹沢湖に架かった永歳橋に差し掛かると、以前に登った世附よつぐ権現山ごんげんやまが薄化粧して真正面に現れる。橋を渡り信玄の隠し湯として、伝えられている中川温泉を過ぎると、前方に大きな杉の木が見えてくる。

 国指定の天然記念物で日本名木百選にランクされていて、樹齢2000年と言われている。ここに立ち寄ってから西丹沢自然教室へと車を走らせる。自然教室は西沢出合にあり、畦ヶ丸あぜがまるやまへの登山口でもある。立派な駐車場が完備されている。

天然記念物の箒沢の杉

 目の前の大きな吊橋を渡り、沢沿いの良く整備された山道をたおり、木の橋を渡って、砂防堰堤脇さぼうえんていを数度越え高度を稼ぐ。

川の水はきれいに透き通っている
川の水はきれいに透き通っている
西沢出合
西沢出合

この山域はその昔、紙の原料としてミツマタを栽培していたのだろう。ミツマタが綺麗に咲いている。橋は丸太組で、同時期に架け替えられたらしく滑り止めがあり、石組みの基礎も確りしていて、増水しても流されないように、固定ワイヤーが取り付けられ行き届いた施工がなされている。ここまでに丸太橋を8ヶ所渡ったが、橋が無ければ渡渉をしなければならない事を考えると助かる。

ミツマタ

 西沢出合から1.5㌔ほどで休憩テーブルがある。直進すれば畦ヶ丸あぜがまるやまへ、左に入れば権現山ごんげんやまへのルートであるはずだが、
この先行き止まり」の立て看板があり困惑する。

川戸道との高低差はほとんどなし 新しい蛙ヶ丸への道標
川戸道との高低差はほとんどなし 新しい蛙ヶ丸への道標
立ち入り禁止の立札
立ち入り禁止の立札
こんな花樹岩がゴロゴロするところをいく
こんな花樹岩がゴロゴロするところをいく

しかし、持参した案内写真と照合すると、このルートと一致するのでテーブルの裏から斜面に取り付く。

この机の後から入山

 一本調子の急登で結構息苦しい。植生は植林→自然林→植林→自然林と目まぐるしく変わる。落ち葉の絨毯は分厚く、踏跡はまあまあ、しっかりしていて思ったほど荒れていない。稜線に出るまで監視済と書かれたテープが数ヶ所あっただけで、標識は一切なく、やっと尾根上に取り付いた。

ここから山頂まで直角に急登
ここから山頂まで直角に急登

 権現山ごんげんやまへの可愛らしい朽ち果てた標識が目に入り、間違いなく権現山ごんげんやまへの稜線に出たと安堵する。

 しばらく進むと、片側が切れ落ちた箇所もある。ブナを見かける様になると、両側が切れ落ちていて北側の谷筋には残雪があり、
汗ばんだ身体に寒風が心地よい。

 最後の急登を登り切ると、鹿棚に囲まれた広い尾根上に飛び出した。世附よつぐ権現山ごんげんやまと同様にやせ尾根の割には広い台地状の
山頂であった。

鹿棚

 山頂はブナリョウブカエデの混交林で、三角点は無い。展望は三方樹林に阻まれているが、南面が拓けて期待の世附よつぐ権現山ごんげんやまが望めた。高低差119mで箒沢権現山ほうきさわごんげんやまの方が高いが、ほぼ同等の高さに見える。ブナが若木の時にツタに絡まれた、白髭と白装束をまとった仙人が持つ、杖にできるような造形された古木が至るところに目立ち一風変わった光景だった。

箒沢権現山山頂にて
世附権現山を望む

 権現山ごんげんやまから権現山ごんげんやまを見渡せるという山域はそうは無いだろう。たどって来た中川温泉街と丹沢湖を眺めていると下界とは違った思いで一時を過ごした。何故か山頂に土管が無造作に数本転がっている。

無造作に置かれた土管

 想えば最初の分岐、植林の中、そして最後の急登の上り口と計4ヶ所でまとまって見受けられた。入山口に行き止まりの表示があったのは、多分この山域は個人の所有ではなかろうかと思った。それにしても重たい土管(直径15cm、長さ60cm)が、なぜ山頂に必要か疑問に駆られた。

広い山頂  土管の多い山域だ
広い山頂  土管の多い山域だ

寒くなったので下山にかかる.帰路は往路を忠実にトレースして落葉を踏みしめて下った。

ほかの登山者とは、季節柄かだれ一人会わなくて静かな変化のある山行であった。時間が許せば中川温泉で信玄の隠し湯とやらにとっぷり浸かりたいところだ。次は南会津の塩ノ原佐倉山から昨年登った八総佐倉山を見に行こう。

参考タイム:合計4時間30分

西丹沢自然教室駐車場 → 畦ヶ丸分岐(40分)

畦ヶ丸分岐「テーブルの場所」 → 尾根取付点(1時間20分)

尾根取付点 → 頂上(30分)

頂上 → 西丹沢自然教室駐車場(2時間)



管理人から令和のこそこそ噂話★
3月15日は「オリーブの日」です!
香川県・小豆島の「オリーブを守る会」が1972(昭和47)年に制定。
1950(昭和25)年のこの日、昭和天皇が小豆島でオリーブの種をお手撒きされた。
~今日は何の日から引用~
オリーブはお好きですか?
最近ではオリーブオイルをよく使って料理をしています。
特にアヒージョなどおつまみに美味しいですよね!
オリーブの実の方は、ビタミンE・オレイン酸・βカロテン・カルシウム
ポリフェノールまで入っているそうです。
ピクルスなどにすれば長期保存も可能で手軽に摂取できて重宝しそうですね。

Tamo24
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