5 羅 臼 岳(1661m){ラウスダケ} ☆百名山☆
県=北海道
同行者:田中さん・高木さん
登山日:2004年7月26日
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知床自然村テント場で未だあけ遣らぬ早朝に草を食む音に目を覚ました。実は同行者のイビキで寝付けない為、テントの外で青天の下で寝ていたため、頭の上で音がした訳である。飛び起きると、目の前に大きな角を翳したエゾシカがいた。一瞬ヒグマでなくて安堵した。
羅臼岳の登山口である木下小屋までは、知床半島の海岸沿いに車を走らせた。道路脇ではエゾシカの一家総出の朝食の時間帯で、道路にはみ出すのもいて時間を取られ、計画の二十分遅れで木下小屋のある岩尾別温泉に着いた。未知の山頂を目指し、標高差一四五〇mの木下小屋登山口を出発した。
オホーツクの海が眺められる展望台を過ぎ、真新しい〝注意 ヒグマ出没多発区間〟の看板を見つつ進むと、夥しい数の蟻が登山道に溢れていた。獣の匂いが一段と鼻を突く。用意した高音の鈴を鳴らしながら先を急ぐ。途中の登山道脇、弥三吉水という水場で小休止。
やがて道は気持ちの良いダケカンバに囲まれた「極楽平」という平坦な明るい道を進み、羅臼平の直下には、ヒグマに引き裂かれた銀冷水の標識を見て、はじめは緩やかだが次第に勾配を増してくる大雪渓が続いている。
運動靴で雪渓を登るご婦人二人が苦労しているのを見掛る、無理せず下山を進めたが、その後どうしたか?あの装備では呆れた。
我々は軽アイゼンを装着して確実に歩を進め、エゾツツジ・イワギキョウ・エゾノツガザクラ・ユキワリコザクラ・サワギキョウをカメラに収め、二回ほど岩場を遣り過し茫漠たるハイマツの見晴らしのいい羅臼平に躍り出た。ここは一面ハイマツの褥でその豊かな拡がりはのんびりして美しい。右手に羅臼岳のトロイの溶岩ドームが聳えている。のんびりと大休止をとり、知床半島の大自然を堪能して最後の登りに取り掛かる。ハイマツ帯の穏やかな登りから徐々に勾配が増して、雲海の彼方に国後島と択捉島が姿を現した。最後の水場である岩清水の美味しい水で渇いた喉を潤した。再び雪渓を登ってから岩場を乗り越えると、羅臼岳山頂に到着。
狭い山頂に大きなアンテナを立て山頂を占領している一団に注意をして退散してもらう。山頂からは三ッ峰、サシルイ岳、硫黄岳方面に知床の山々が連なっていた。あいにく斜里岳方面は雲が湧き雄姿を拝むことは出来なかったが、雲海の彼方に浮かぶ国後が見られたのは感動的だった。
大自然を満喫してから下山に掛かり、羅臼平で小休止して辺りの高山植物を眺めていると、これから硫黄岳から知床岬まで縦走するという、重装備の若者に逢い元気を頂き。大雪渓を慎重に下って、ヒグマにも逢わずに木下小屋登山口に無事着いた。